海外アパート暮らしで体験するロングステイ(モンテネグロ編)

暮らすように旅をするロングステイには、ホテル滞在ではなくアパート滞在はいかがでしょうか。
筆者はマルタに留学していたころから、マルタから近いヨーロッパの都市はもちろん、ヨーロッパ中の多くの都市を訪ね、今まで海外100カ所以上のアパートに滞在しています。
今回は2024年6月に滞在したモンテネグロのユネスコ世界遺産の街コトルをご紹介いたします。
ちなみに、アパートの手配は1泊から予約出来る大手の宿泊サイトを利用しました。

アパート暮らしがおすすめな理由

スーパーマーケットで買い物をして、アパートのキッチンで調理をするなど、自宅のような過ごし方ができ、その地域の『暮らし』を体験できることです。
また、地味にうれしいのがこまめに洗濯ができること。ロングステイとなると荷物もそれなりの量になるので、ちょこちょこ洗濯できると荷物も減らすことができるので便利です。

②地元の人と交流ができる

アパートの大家さん、近所の人など、ホテルに滞在するより圧倒的に地元の人と話をする機会があるのもアパート暮らしの魅力。
近所のおすすめグルメや、観光客はあまり知らないおすすめスポットなど、気軽に聞けてしまいます。

③オーナーのこだわりが見える唯一無二の空間

アパートのお部屋にはオーナーのこだわりのインテリアや調度品があるなど、どこのお部屋も同じホテルとは違う魅力があります。
自分の趣味に合ったお部屋、ワークスペースがあるお部屋など、自分の希望に合わせたお部屋などの選択もできるのも魅力。

首都・ポドゴリツァ

今回はマルタでアパートに滞在後、マルタ航空でローマへ、ローマからモンテネグロ航空に乗継ぎモンテネグロの首都ポドゴリツァに向かいました。
ポドゴリツァはモンテネグロ語で”小さな丘の麓”という意味で、その名のとおりポドゴリツァの背後にはイトスギがあります。歴史的な影響を強く受け、そのたびに都市名が変わっています。

第二次世界大戦時に街のほとんどが破壊されてしまったため歴史的な建物は少ないですが、素朴な街の雰囲気を楽しむことができます。

さて、ポドゴリツァでは街の中心のアパートに滞在しました。
大家の息子さんが空港まで迎えに来てくれました。こんなやり取りができるのもアパート滞在の魅力です。お部屋はアパートは芸術家の大家さんらしく調度品なども立派で快適な部屋でした。

ホテルとは比較にならないほど、広いお部屋に滞在できるのもとっても快適です。
ポドゴリツァではこちらのアパートメントに2泊して、長距離バスに乗り約2時間半で世界遺産にもなっているコトルへ向かいます。

世界遺産・コトル

モンテネグロの観光で外せないコトル。「アドリア海の秘宝」と呼ばれており、アドリア海に面した入り江の最奥部にある2000年もの長い歴史を刻む港町です。周囲を山に囲まれた要害で、中世の古い町並みが今でも残っており、「コトルの自然と文化歴史地域」として世界遺産にも登録されています。
コトルの街はヴェネツィア支配下で海洋貿易の拠点として栄え、カトリックとギリシャ正教の文化圏が重なり、旧市街には聖トリプン大聖堂、コトルの時計塔や海洋博物館などの観光スポットや見所が沢山あります。現在はコトル湾にクルーズ船も寄港する人気の観光地となっています。

コトルの歴史は紀元前のローマ時代から始まり、東ローマ帝国以降に要塞が築かれ、その後中世にはオスマン帝国やヴェネツィア共和国の支配下に。近世にはオーストリアやフランスの支配下にもおかれ、一時イタリアにも併合されて第二次世界大戦後の1945年ユーゴスラビア社会主義連邦共和国内のモンテネグロ社会主義連邦共和国となりました。様々な歴史的経緯を経て2006年モンテネグロ共和国として独立し、翌年国名をモンテネグロ共和国からモンテネグロに変更しました。
街の裏山のコトル城塞への入口から石の階段を上へ歩いて登っていくと、旧市街の赤レンガの建物や複雑に入り組んだコトル湾の絶景を見渡すことができます。

コトルのアパートは、バスターミナルから歩いて10分ほど。アパートに着くと中年女性の大家さんが待っていてくれ、リフトで4階のお部屋に案内されました。ちなみに隣の部屋には家族が住んでいました。
アパートは緑にも囲まれており、近くにはスーパーマーケット、観光地の歴史地区へも歩いて行けるというとても便利なロケーションでした。

大家さんは美人で大変優しく親切で、滞在中にモンテネグロのローカルのお菓子を作ってくれました。このような人との交流がロングステイの楽しさを際立たせてくれます。
コトルのアパート滞在を楽しんだ後は、バスターミナルから次のアパート滞在地のクロアチアのドブロブニクへバスで向かうのでした。

(情報提供・古賀瑞恵/登録ロングステイアドバイザー